スマホ利用についての最も有名なルールはアメリカ人が作った

最近はガラケーを使っている方が珍しいぐらいスマホが当たり前になり、
子供に持たせる携帯電話もスマホが増えつつあります。

子供にスマホを持たせるのは良いんですが、
親御さんとしては子供にスマホを持たせることでトラブルに巻き込まれたり、
使い過ぎるんじゃないかという心配がありますよね。

そこで子供にスマホを持たせる場合には「ルール」を決めておいた方が良いんですが、
子供がスマホを使う際のルールとしてもっとも有名なのが「スマホ18の約束」です。

ではスマホ18の約束とはいったい何なのか、
その内容とともに子供にスマホを持たせる際のルールについて詳しく見ていきましょう。

スマホ18の約束とは

「スマホ18の約束」は、アメリカのママさんブロガーが13歳の息子に
クリスマスプレゼントとしてスマホとともに贈った独自の使用契約書のことです。

息子がスマホを使う上で守るべき18の項目を決め、もしそれを守れなかった時には
ママにスマホを返すことを約束させるものとなっています。

このママさんブロガー自身がメディアにスマホ18の約束を投稿して取り上げられると、
大きな話題となりました。

日本でもテレビや新聞で取り上げられたので、スマホ18の約束を作ったママさん
ブロガーと同じ年代の子供を持つ親御さんだと知っている人も多いじゃないでしょうか。
(2012年の話題なので知らない人も多いかも・・・)

私からするとスマホ利用に関して親と子供が交わす約束としてごく当たり前の内容だと
思うんですが、アメリカでは「干渉しすぎ」という否定的な意見も多かったみたいですね。

アメリカ人のママさんが作ったものだけに、
スマホ18の約束の中には日本人に馴染まない項目もいくつかあります。

ですから私の独断ではありますが、スマホ18の約束の中から
特に参考になりそうなものをピックアップして紹介したいと思います。

スマホはママのもので、あなたに貸してあげている

スマホ18の約束の最初の項目に、
「スマホはママが買って、あなたに貸してあげている」と書かれています。

親からすると「当たり前のこと」なんですが、
子供は買ってもらった時点でスマホは自分の物と勘違いしていたりするんです。

スマホはおもちゃのように買ったらそれで終わりではなく、
毎月継続して料金が発生します。

高校生ならバイトをしてスマホ代を自分で払うことができるかもしれませんが、
小中学生だと毎月数千円のスマホ代を自分で払うのは難しいですよね。

スマホの料金は当然親が払っているわけで、子供にはスマホを好き勝手使って
良いわけじゃないということを言い聞かせる必要があるわけです。

なのでこれから子供にスマホを持たせる親御さんがルールを作る際にも、
この「スマホはママ(パパ)が買って、あなたに貸してあげている」という項目は
大いに参考になりますね。

パスワードは必ずママに教える

2つ目の項目は「パスワードは必ずママに教えること」で、
ママに見られて困るようなスマホの使い方をしないことを約束しています。

親が子供にスマホを貸しているわけですから、常に親がスマホをチェックできるように
パスワードを教えるのは一見当たり前のように見えます。

ただ小学生ならともかく中学生にもなると、
親に見られると恥ずかしいやり取りを友達とすることってあるんじゃないでしょうか。

別に変な意味ではなく、誰が可愛いだとかかっこいいだとか誰が好きだとかといった
恋愛系のやり取りを親に見られるとさすがに恥ずかしいですよね。

私は中学生の時に誰にも見せない日記をつけていたことがあるんですが、
それを母親に見られて恥ずかしい思いをしたことがあります。
(学校などであったことを書いていただけ)

ですから、スマホのロックを解除するパスワードぐらいは親が知っていても良いですが、
子供が友達とやり取りしているメールやLINEのパスワードまで親が知っている
というのはちょっとやりすぎのような気がします。

電話が鳴ったら必ず出る

スマホ18の約束の中には、
「スマホは電話です。鳴ったらマナーを守って必ず出ること」という項目があります。

その後に続く「特にママやパパからの電話には絶対出ること」については大賛成ですが、
前段の電話が鳴ったら必ず出るはあまり賛成できません。

スマホではあまり聞きませんが、
固定電話に出ることでトラブルに巻き込まれるといったことをよく耳にします。

実際私の実家にも、
私や警察を名乗る電話がかかってきたことが何度かあると母親に聞いています。

なので家族や親せき、友人などのスマホに登録している電話番号からの電話には
必ず出るようにして、登録していない電話番号からの電話には出ないようにした方が
良いと思います。

それから親が子供のスマホに電話をかける時は、
スマホに登録している電話番号からかけるように配慮してあげないといけません。

急いでいるから、スマホのバッテリーが無くなったからなどといって、子供のスマホに
電話番号を登録してない固定電話や公衆電話からかけるのは止めてあげましょう。

平日は午後7時30分、休日は午後9時になったらスマホをママかパパに預ける

スマホ18の約束では、
 ・平日(学校のある日)・・・午後7時30分
 ・休日(週末)・・・午後9時
にスマホを親に預けることと約束しています。

要するに、夜間はスマホでゲームをしたり友達とメッセージのやり取りをできないように
するわけです。

何時に預けるか、そもそもスマホを親に預けるかどうかはそれぞれの家庭で
決めることですが、夜間にスマホを使わせないことは必要ですね。

中学生にもなると自分の部屋を持っていることも多いですから、
親の目が届かないところで長時間ゲームをしたり、
友達とメッセージのやり取りすることで睡眠不足になる恐れがあります。

睡眠不足は次の日の活動に影響しますし、成長期の子供は睡眠中に成長ホルモンが
分泌されるので睡眠不足は子供の成長にも悪影響を及ぼします。

2012年当時は、スマホを取り上げるしか子供にスマホを使わせないようにする方法が
無かったのかもしれません。

現在では
 ・携帯キャリアのあんしんフィルター
 ・iPhoneのスクリーンタイム
 ・スマホ依存対策アプリ
などでスマホ自体やアプリの利用時間を制限できるようになっています。

なので今ならこういったサービスや機能、アプリを使って子供のスマホ利用時間を
制限して、「スマホを使えるのは○時まで」というルールにする方法もありますね。

学校に持って行ってはいけません

スマホ18の約束の中ではスマホを「学校に持って行ってはいけない」としていますが、
これは少し時代に合わなくなっています。

日本では、高校は以前からスマホ持ち込みOKのところも多いですが、
小中学校ではまだまだスマホ持ち込みを禁止しているところも少なくありません。

しかし文部科学省は中学校へのスマホ持ち込みを条件付きで認めており、
中学校によってはスマホを持って行くことができます。

アメリカでも学校へのスマホ持ち込みを容認する流れになってきているので、
通っている学校のルールに従ってスマホを持って行くのを許しても良いと思います。

ただし通っている学校でスマホの持ち込みが禁止されているなら
当然持って行っちゃいけませんし、持って行けるにしても学校でのスマホ利用に関する
ルールを決めておいた方が良いですね。

登下校時は親からの電話に出られるようにスマホの電源を入れておき、
学校に居る間は電源を切っておくといったようなルールを決めておきましょう。
(学校に居る子供に親が連絡を取る時は学校に電話をかける)

スマホの修理費用は自己負担

スマホ18の約束の中に「スマホの修理費用は自己負担」という項目がありますが、
これは絶対必要だと思います。

最初に「スマホは親が買ったもので、あなたに貸してあげている」
と言い聞かせているので、子供は「スマホが壊れたら、持ち主である親が
修理してくれる」と思っているかもしれません。

しかし社会のルールでは、レンタルしたものを壊したら、
レンタルした人が弁償するのが当たり前です。

ですからスマホを壊した場合の修理費用は自己負担と約束しておくことは、
子供にいち早く社会のルールを教えることにもなるわけです。

また修理費用を自己負担としておくことで、子供に
「スマホは丁寧に扱わないといけない」という意識も植え付けることができますよ。

時々スマホを持たずに外出しなさい

スマホ18の約束の中にある「時々スマホを持たずに外出しなさい」という項目は、
日本では不要だと思います。

アメリカにはどんな場合でも13歳未満の子供だけで行動してはいけない
(登下校も含めて)という共通認識があります。

そのため子供が外出する時は必ず大人が一緒なので、
子供はスマホを持っていなくても問題が無いわけです。

しかし日本では登下校を含めて13歳未満の子供だけで行動することも
まだまだ許されていますから、外出時にはいつでも親と連絡が取れるように
スマホを持っておく方が望ましいです。

ですから子供のスマホ所持についてルールを決めるなら、「家族で出かける時は
スマホを持って行かない」といった感じにした方が良いんじゃないでしょうか。

時には昔ながらのゲームで遊びましょう

スマホ18の約束では、
 ・ワードゲーム
 ・パズル
 ・知能ゲーム
といった昔ながらのゲームで遊ぶことを勧めています。

ゲームで遊ぶにしても頭を使ったり、
人と対話したりすることが重要といったことを伝えているんです。

もちろんこれは賛成なんですが、
子供が昔ながらのゲームで遊ぶときには親も一緒に遊んであげた方が良いですね。

別に昔ながらのゲームである必要は無く、休日など時間がある時には一緒に
遊んだり会話したり、子供と積極的にスキンシップを取ってあげることが重要です。

親と遊んだり会話している間はスマホを使いませんから、積極的に子供と
スキンシップを取ってあげることで子供のスマホ利用時間を減らすこともできますよ。

約束が守れない時はスマホを没収

スマホ18の約束の最後18個目の項目は
「約束が守れない時はスマホを没収します」です。

子供のスマホ利用に関するルールを決める時には、
ルールを守れなかった時の罰則は設けておいた方が良いです。

罰則が無いとルールを守らなかったことに対する反省の意識が生まれず、
子供は好き勝手にスマホを使うようになってしまいます。

ルールを破ったらスマホを使えなくする、たびたびルールを破るようなら
スマホを解約するぐらい厳しい罰則でも良いと思います。

厳しい罰則を設けることで、子供のスマホ利用を抑制することができる上に、
ルールを守ることの重要性も教えることができます。

SNS利用に関する約束

スマホ18の約束の中にはSNSの利用に関する項目がいくつかあります。

子供にSNSを利用させるのであればルールを作った方が良いですが、
個人的には中学生まではSNS自体を使わせないようにした方が良いと思います。

学校の連絡網として使われることもあるLINEは使わせても良いですが、
不特定多数と繋がることができるTwitterやInstagramは使わせない方が良いですね。

TwitterやInstagramは大人でも使いこなすのが難しいツールですから、
良し悪しの分別が付かない子供には使わせないのがベターです。

TwitterやInstagramを使わせるにしても閲覧のみで投稿はさせない、
というぐらい厳しいルールでも良いんじゃないでしょうか。

それ以外にもいくつか項目はありますが、これから子供のスマホ利用についての
ルールを作る参考になりそうなのは以上です。

子供のスマホ利用に関するルールってみんな作ってる?

東京都の2019年度の調査によると、子供がスマホを使っている家庭の内
利用に関するルールを決めているのは約78%でした。

私の印象としてはちょっと少ない感じもしますが、それでもほとんどの家庭では
子供のスマホ利用に何らかのルールを設けているんですね。

ただルールを設けていても罰則を設けていないケースも多く、
ルールを破った時の罰則を設けているのは全体の55%に留まっています。

そのためかどうかは分かりませんが、子供がルールを
 ・あまり守れていない
 ・守れていない
 ・守れているかどうか分からない
という回答を合わせると25%を超えます。

ルールを設けても罰則が無いとルールを守れないケースも多いので、
子供のスマホ利用に関するルールを設けるなら罰則も決めておいた方が良いですよ。

ちなみに子供のスマホ利用に関するルールの具体的な内容としては
 ・利用する時間や場所の制限
 ・困った時はすぐ保護者に相談する
 ・利用する際のマナー
 ・利用料金の制限
などが多くなっています。

まとめ

 ・子供のスマホ利用に関するルールとしてもっとも有名なのが「スマホ18の約束」
 ・スマホ18の約束はアメリカのママさんブロガーが2012年に作ったもので、
時代的・文化的に参考にならない項目もある
 ・スマホ18の約束では約束を守れない時はスマホを没収する罰則も決められている
 ・東京都の調査では子供のスマホ利用に関するルールを作っている家庭は約78%